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月見の里・消化器内視鏡クリニックです。

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便潜血陽性

〇大腸がん検診(便潜血反応検査)陽性に対する二次精密検査


 健診の便潜血反応陽性で受診して頂く患者さんには、二次精密検査として大腸カメラ検査が必要となります。通常2回分を提出する便潜血検査は、明らかな自覚症状や血便が出る前に初期の段階で大腸の病気を早期発見しようとするものです。大腸の中にポリープのような飛び出したものがあると、進んでいく便塊と擦れてわずかに血が滲み、その僅かな血液を精密に検出することによって大腸ポリープの存在の手がかりにするというものです。したがって、2回のうち便潜血反応が一度でも陽性と判明した場合には大腸ポリープなどの疑いがあるということであり、大腸カメラ検査が必要となります。

 よくあるのは若年男性の方で、排便時に時々切れ痔のように痛くなって紙につく程度の鮮血が認められる場合です。検便検査には期限があるために無理に息んで便を出したための切れ痔だから検査しなくてよいと考えることです。確かに大腸カメラ検査をしても結果的に所見を何も認めないことはあります。しかし、そうではないこともよくあります。30歳代でも病気が見つかることがあります。痔の出血によって大腸奥からの出血が隠されている可能性があります。大腸を奥まで調べて病気がないことを確認して、初めて切れ痔による出血であると診断できます。無理なく排便したバナナうんちを提出して便潜血陽性の反応が1回でも認められた場合には、迷わずに一度大腸カメラ検査を受けていただくことをお勧めします。

 日本では食事が欧米化することによって大腸がんが増えていると考えられます。そのアメリカでは大腸がんによる死亡がむしろ減少しており、現在では死亡者数は日本とおおよそ同じです。人口が倍にも関わらず死亡者数が同じということは、それだけ日本での大腸がん死亡が多いと言う事です。その原因と考えられるのが、日本での二次検診の受診率の低さです。つまり、検便で便潜血陽性を指摘されても大腸カメラ検査を受けない方が多いためと考えられます。便潜血反応が陽性と判明した場合には、是非とも大腸カメラ検査を受けて下さい。

 さらに、この検診の便潜血反応も完全な検査とは言えません。。例えば、平らなタイプのポリープは便塊と擦れ難いため便潜血反応が出ないことがあります。また、上行結腸などの右側の大腸は通過する便が液状で大きなポリープがあっても擦れないため便潜血反応が陽性となりにくく、かなり病気が進行しても血便も出ないためにまったく無症状のことがあります。毎年検診をして便潜血検査も一度も陽性になったことがなく、人間ドックの精密PET検査で異常を指摘されなくても、健康チェックのため念のためにと気軽に受けてみた大腸カメラ検査で進んだ病気が見つかった事例もあります。同級生が大腸がんになったので、便潜血は陰性だけれども年齢も増えたので心配になって大腸カメラ検査を受けてみたら病気が見つかった事例もあります。便潜血反応が陰性でも、40歳をこえたら一度大腸カメラ検査をうけてみることをお勧めします。


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