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慢性的な便秘に伴う下腹部痛は多く見られます。まずは水分摂取や食物繊維の摂取、睡眠リズム、排便習慣づけなどの自律神経の負担をとる食生活習慣の改善が重要で、残念ながら便秘の解消に単一の正解はありませんので、色々と試して頂いてご自分に合った便通コントロールを見つけて頂けるとよいです。お通じの薬は数種類ありますので、食生活習慣のコントロールだけでは難しい場合にはご自分に合うお薬を試していきます。便秘と下痢を繰り返すようになったり、便が細くなったり、便に血が混じるような場合には、肛門診察を受けて頂いた上で腹部超音波検査によって肝臓異常、腸閉塞、大腸小腸の異常、婦人科疾患、泌尿器科疾患などがないことを確認します。その上で大腸ポリープや大腸がんなどが認められないか、大腸カメラ検査を受けて頂くことになります。変化が著しい場合には腹部エコーだけで腸の病気を診断できることがあります。
大腸カメラ検査を受けて頂いて大腸にポリープや大腸がんが認められなくても腹部膨満感や便が緩くて回数が多いなどの便通の異常を感じることがあります。その一つが機能的な疾患で、すなわち大腸の働きのうえでの失調状態で過敏性大腸症候群です。これは、食生活や気持ちの負担など自律神経の影響を特に受けやすく便秘や下痢を起こし易いもので、なおさら食生活習慣やストレスコントロールが重要となります。例えば、クリーンルームの着替えが必要な食品製造の現場作業の方などが、お腹が冷えて何度もトイレに行きたくなって仕事上困っている場合などには、内服薬で症状をコントロールできるととても喜ばれます。
もう一つが特にS状結腸の憩室症候群です。これは、最終の直腸の一つ手前で左の下腹に位置するS字状結腸に憩室という穴ボコがたくさんあることにより、パチンコ玉のような粒つぶの宿便が溜まって炎症を起こして元々屈曲の多いS字結腸の管腔がさらに狭くなり、便がうまく溜まり難くなって左下腹部に膨満感や痛みを感じ易く1日3−4回と軟便で排便回数が多くなってしまいます。憩室は自然に無くなることはなく便秘などでさらに悪化し易いので、ある程度内服薬で症状を和らげて生活に支障のないように上手に付き合って行けるように、ご相談させて頂いています。
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