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胃カメラ検査は、食事を摂ってさえいなければ胃が痛い時などに直ぐにも検査することができます。しかし、大腸カメラ検査は、便秘が長い方などは特に宿便といい残便が多いために、前処置という準備があらかじめ必要になります。便が残っているとカメラを入れても中が観察できず、ポリープも見落とし易くなるからです。前処置は、残渣が残りにくいように食事の内容を数日前から注意し、直前は毎日便が出るように排便コントロールを行い、前日の夜には下剤を飲んでできるだけ便を出してしまい準備をします。
そして当日には、2リットル近い水の下剤を飲んでいただき洗腸することになります。便の塊から黄色いカスの水、そして完全にきれいになると透明な水が出るようになります。下剤には種類があり、状態に応じて選択します。通常は飲み易い美味しい下剤を飲んでいただきますが、80歳を超えた40kgに満たない体格の小さなお婆ちゃんでも飲めますので、ご心配には及びません。大腸検査は一般的には嫌われる検査で、その一つがこの下剤です。
もう一つが、検査時に痛みを覚える方がいることです。通常、痛みを感じ易いのは若い女性の方で、生理痛が強い、子宮内膜症がある、お腹に手術の傷がある、婦人科がんの手術をして癒着がある方、便秘が2週間などとても長くて腸が長い方などです。癒着があると大腸カメラの挿入に伴って腸が引っ張られて痛みやすく、大腸を損傷してはいけないので無理せず検査を中止することがあります。大腸がとても長い方は折りたたみ挿入ができないので、腸が伸びて痛みを感じ易いです。男性は何にも当てはまらない場合が多いので、一般的には痛い方は少ないです。ただし、S状結腸に憩室が多数ある方や腸管膜の内臓脂肪がとても多い方は、性別に関わらず検査が難しい場合があります。
何れにしても、できるだけ痛くないようにゆっくりと丁寧に検査を行います。意識下鎮静法と言いますが、少量の鎮静剤を使用して「痛みはありませんか」とお話をしながら検査を行います。カメラが大腸の中に入るのは極めて物理的なことなので、角度がきつい急カーブなどでは腸が伸びたり反対側の壁を押したりしてどうしても少し痛く感じてしまいます。そこで、鎮静剤を多めに使用して全く痛みも分からないうちに検査をすることも可能ですが、検査によって大腸が傷ついても強い鎮静剤によってそれが分からずに患者さんが不利益を被ることがあってはなりませんので、例えて言うならば当院では危険信号のアラームスイッチをonにしたまま安全に配慮して検査を受けて頂くということです。そこで、とても痛いなどで大腸カメラの挿入が困難な場合には、無理をしないでカプセル内視鏡を検討します。
そして、結果として大腸カメラ検査でポリープが見つかって当院で対処可能な場合には、そのままポリープ切除を行います。変化が強く精密検査が必要な場合には、ご相談のうえ御希望の病院に紹介させて頂く事となります。最近ではクリーンコロンと言われ、積極的に小さなポリープの芽も摘んでポリープのない状態を保つことが、大腸がん死亡を減少させることに繋がると考えられています。ポリープを切除した場合には大腸ポリープ切除術となり、手術としての費用が発生します。腸は蠕動で自然によく動きますし栄養を摂らないわけにはいきませんので、腸の傷口の安静を保つのは難しいものです。そこで、ポリープを切除した後に腸の傷から出血してはいけませんので、ポリープを切除した場合には3日間は緩いお粥のような消化の良い残渣の少ない食事を摂っていただいたり、1週間はお酒を飲まない、熱いお風呂に入らない、激しい運動はしないなどの食事・生活指導をさせていただいております。
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