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月見の里・消化器内視鏡クリニックです。

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胸焼け

〇胸焼け、胸痛、咽頭違和感


 胸焼け、つかえ感、胸痛、咽頭違和感などで来院される患者さんに多く見られるのが、逆流性食道炎です。食後や朝方に酸っぱいものが上がってくる場合は分かりやすいですが、食後につかえ感や胸痛を覚える場合には心臓に狭心症などがあってはいけません。胸痛で循環器内科で検査をしても異常が見られなかったと受診していただく場合も多いです。咳や痰がでたり、咽に違和感があって治らないと呼吸器内科や耳鼻科を受診して異常が認められずに、逆流性食道炎を疑われて受診していただく場合も多くあります。

 これに対する基本的な対処のまず一番目は、ご自身による食生活習慣の改善注意です。ゆっくり食べる、良く噛んで食べる、早食いしない、まとめ食いしない、食べてすぐに寝ない、寝る前に脂ものを食べない、腹八分より腹六分にするなどです。便秘をしない、おなかを圧迫される服装や姿勢に注意するなどと、これらの食材や量、食事リズムの食生活習慣の注意、対処が、ご自身で比較的容易にできることで、まず一番目に望まれます。

 二番目は感受性が高ぶった自律神経を休めるストレスコントロールです。職場の人間関係にストレスがあるとか、仕事がとても忙しいとか、高齢のご両親の介護が大変とか、多かれ少なかれ誰しも様々な心配事やストレスにさらされています。高ぶった自律神経は敏感で、ちょっとしたことが気になり続けて増幅されてしまいます。自律神経が自然のリズムでコントロールする胃腸は、特に自律神経の乱れが胃腸症状をきたしやすいものです。心も体もゆったり過ごして頂きよいリズムで生活し良い睡眠がとれるとよいですね。人間関係や仕事のストレスは上司や第三者を仲介したり周りの人達とよく相談して緩和したいものです。過剰に任される仕事は皆で分担して負荷を減らしたいものです。介護負担などは兄弟家族や行政のサービスを最大限利用して無理のないように努力したいものです。それでも気持ちの負担が取れない場合には、メンタルクリニックの先生に相談して気持ちが楽になるとよいですね。

  三番目が胃酸を抑えたり消化運動を助けるお薬となります。薬はとても有効です。例えると、夏の海水浴で日焼けをしてヒリヒリする背中に、当たり前ですが塩気の強い塩水が当たるとヒリヒリ焼けてとてもつらいです。ところが、着替えるときに真水のシャワーを浴びるとヒリヒリしなくて気持ちがいいくらいです。この塩気の強い海水を真水に変えるのが、胃酸を抑えるお薬ということになります。だから胸焼け症状を和らげるのにとても有効です。ただし、逆流そのものを治したわけではありません。

  というわけで食生活習慣の改善、ストレスコントロールがとても大切で、良く効くからとお薬だけ飲んでいればよい訳でもありません。しかしながら、食道ヘルニアと言って食道と胃のつなぎ目が緩んでいる方にとっては、食生活習慣の改善だけでは症状が十分に良くならない場合が多いので、内服薬の継続もとても大事で必要になります。胃カメラ検査は、食道から胃、十二指腸の途中まで観察しますので、逆流性食道炎による食道の粘膜障害の程度を判定し、この食道ヘルニアもよく分かります。

 また、胸焼けから喉の違和感、咳などの咽頭症状を強く覚えているものの、内視鏡で異常が認められず、内服でも症状が改善しない方が多くいらっしゃいます。咽頭神経症とも言われ、食生活習慣の改善だけでなく、特に感受性の高ぶった自律神経を休めるストレスコントロールが重要と考えられます。

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